愛してるなんて、噓でしょう?
美月 side
カフェを出ると、空は夕焼けに染まっていた。


蓮が私の手を取る。

「帰ろうか」

「うん」

歩きながら、私は思った。


十二年前の私は、蓮に星のチャームを渡した。


寂しくなったら、これを見てね。


そう言った。


そして今、蓮はその星を大切に持っていてくれた。


私が忘れてしまった時間を、ずっと覚えていてくれた。


でも、これからは違う。


過去だけに囚われる必要はない。


今の私たちには、これから作っていく未来がある。

「蓮さん」

「何?」

「大好きだよ」

蓮は一瞬驚いたあと、柔らかく微笑んだ。

「俺も。美月のことが大好きだ」

その声を聞きながら、私は彼の手を握り返した。


優しいあなたに、囚われて。


けれど、それはもう過去の約束に縛られるという意味じゃない。


今のあなたを好きになった。


今のあなたを選んだ。


だから、これからも隣にいたい。
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