愛してるなんて、噓でしょう?
蓮 side
美月と出会った日。


雨の降るカフェで、彼女は俺を知らなかった。


十二年前に会っていたことも。


俺がずっと探していたことも。


何も知らずに、ただ俺に笑いかけてくれた。


その笑顔を見た瞬間、思った。


やっと見つけた。


けれど、その言葉を彼女に伝えることはできなかった。


だから、もう一度初めましてをした。


彼女の好きなものを覚えた。


彼女の話を聞いた。


少しずつ距離を縮めた。


そして、今。


彼女は自分の意思で俺の隣にいる。

「蓮さん?」

「ん?」

「どうしたの?」

「いや。幸せだなと思って」

美月は少し恥ずかしそうに笑った。

「私も」

俺は彼女の手を握った。


この手を離したくない。


そう思う気持ちは、今も変わらない。


でも、これからは違う。


彼女を縛るためではなく、彼女と一緒に歩いていくために。

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