愛してるなんて、噓でしょう?
東條蓮 side


「食事に誘ったんですか?」

車に乗るなり、悠真が聞いてきた。

「聞いてたのか」

「聞こえただけです」

「そう」

「随分積極的ですね」

俺は窓の外を見ながら、小さく笑った。

「少しずつでいい」

焦るつもりはない。


美月にとって俺は、まだ何も知らない男だ。


それでいい。


今の俺を知って、好きになってほしい。

「蓮さん」

「何?」

「会長から連絡が来ています」

「またか」

「例の件です」

俺は笑顔を消した。


例の件。


十二年前の事件。


あの日から、何も変わっていないこともある。

「……分かった。明日、本部に行く」

「承知しました」

俺はポケットの中にある星のチャームに触れた。


美月。


君には、笑っていてほしい。


今度こそ。

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