愛してるなんて、噓でしょう?
二人で並んで歩く。


傘に当たる雨の音が、静かに響いていた。

「最近、元気なかったね」

蓮さんが口を開いた。

「そうですか?」

「うん。俺のせいかな」

私はすぐに答えられなかった。

「……少しだけ」

正直に言うと、蓮さんは静かに頷いた。

「ごめんね」

「蓮さんが謝ることじゃないです」

「でも、俺のことを知って戸惑わせたのは事実だから」

その声は、いつもより少し低かった。

「美月ちゃん」

「はい」

「無理に俺と仲良くしなくてもいいよ」

思わず顔を上げた。

「俺のことが怖いなら、距離を置いてもいい」

「……」

「それでも、俺は美月ちゃんに会えて嬉しかった」

その言葉が、胸に残る。


蓮さんは私を困らせないように、優しく笑っていた。


でも、その笑顔の奥に少しだけ寂しさが見えた。

「蓮さんは……」

「ん?」

「私と、どうして仲良くしたいんですか?」

ずっと聞きたかったこと。


蓮さんは少しだけ目を伏せた。

「美月ちゃんといると、安心するんだ」

「安心?」

「うん。理由は、今はまだ上手く話せないけど」

彼は雨の向こうを見つめた。

「君と話している時間が好きなんだ」

心臓が、また小さく跳ねた。

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