愛してるなんて、噓でしょう?
「私ですか?」

「うん」

「水瀬美月です」

そう答えると、男性は一瞬だけ目を見開いた。


本当に一瞬。


気のせいだったのかもしれない。

「……美月ちゃん」

彼は私の名前を、確かめるように口にした。

「はい?」

「いや。いい名前だね」

ふわりと笑う。

「ありがとうございます」

「うん。すごく似合ってる」

なんだろう。


初対面のはずなのに。


どうしてこんなに、懐かしい気持ちになるんだろう。


私は小さく頭を下げて、厨房へ戻った。

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