愛してるなんて、噓でしょう?
コーヒーを運び終え、しばらく経った頃。


店内は少しずつ静かになっていた。


窓際の男性は、まだ帰る様子がない。


スマートフォンを見るわけでもなく、誰かと連絡を取るわけでもなく、ただ窓の外を眺めている。


何を考えているんだろう。


そんなことを考えていたときだった。

「美月ちゃん」

「はい!」

また呼ばれた。

「少し聞いてもいい?」

「もちろんです」

「この近くに、よく来るの?」

「えっと、私はこのお店で働いているので、ほとんど毎日いますよ」

「そうなんだ」

男性は嬉しそうに笑った。

「じゃあ、また来てもいい?」

「もちろんです! いつでもお待ちしてます」

何気なく答えた言葉。


なのに、彼はどこか安心したような顔をした。

「よかった」

……変な人。


でも、嫌な感じはしなかった。


むしろ、もう少し話してみたいと思ってしまう。

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