愛してるなんて、噓でしょう?
蓮 side


食事を終え、店を出る。


夜風が少し冷たかった。

「寒くない?」

「大丈夫です」

そう答えた美月の手が、少しだけ赤くなっている。

「これ、使って」

俺は持っていたコートを彼女の肩にかけた。

「えっ、でも蓮さんが寒いですよ」

「俺は平気」

「ありがとうございます……」

美月はコートの襟元をそっと押さえた。


その仕草が可愛くて、目を離せなくなる。

「美月ちゃん」

「はい?」

「今日は楽しかった?」

「はい。すごく!」

「俺も」

少しだけ沈黙が流れる。


もっと一緒にいたい。


まだ帰したくない。


そんな気持ちが、心の中で膨らんでいく。


けれど、俺はそれを飲み込んだ。

「また誘ってもいい?」

美月は少し驚いたあと、優しく笑った。

「もちろんです」

その言葉だけで十分だった。


今は、まだ。

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