愛してるなんて、噓でしょう?
蓮 side
美月からの返信を読み、俺はスマホを見つめた。
『今度は私のお気に入りのカフェに行きましょうね』
たった一文。
それなのに、何度も読み返してしまう。
「……楽しみだな」
小さく呟いた、そのとき。
スマホに別の着信が入った。
画面に表示された名前を見て、俺の表情から笑みが消える。
一条莉子。
今は考えたくない名前だった。
電話に出ると、落ち着いた女性の声が聞こえてくる。
『蓮さん、お久しぶりです』
「……何の用?」
『少し、お話ししたいことがあって』
「今は忙しい」
『そうですか。でも、近いうちにお会いしたいです』
一拍置いて、彼女は続けた。
『例の女の子のことも、少し気になりますから』
その瞬間、俺の目が細くなる。
「美月には関係ない」
『本当にそうでしょうか?』
電話の向こうで、莉子が静かに笑った。
『十二年前のこと、忘れたわけではありませんよね』
通話が切れる。
俺はしばらく、暗くなった画面を見つめていた。
せっかく、美月との距離が近づいたと思ったのに。
また、あの過去が邪魔をする。
美月には、まだ知られたくない。
今はただ、俺のことを好きになってほしい。
けれど――。
――優しい時間は、いつまでも続くとは限らない。
そして、彼女の知らない過去が、少しずつ二人の距離に影を落とし始めていた。
美月からの返信を読み、俺はスマホを見つめた。
『今度は私のお気に入りのカフェに行きましょうね』
たった一文。
それなのに、何度も読み返してしまう。
「……楽しみだな」
小さく呟いた、そのとき。
スマホに別の着信が入った。
画面に表示された名前を見て、俺の表情から笑みが消える。
一条莉子。
今は考えたくない名前だった。
電話に出ると、落ち着いた女性の声が聞こえてくる。
『蓮さん、お久しぶりです』
「……何の用?」
『少し、お話ししたいことがあって』
「今は忙しい」
『そうですか。でも、近いうちにお会いしたいです』
一拍置いて、彼女は続けた。
『例の女の子のことも、少し気になりますから』
その瞬間、俺の目が細くなる。
「美月には関係ない」
『本当にそうでしょうか?』
電話の向こうで、莉子が静かに笑った。
『十二年前のこと、忘れたわけではありませんよね』
通話が切れる。
俺はしばらく、暗くなった画面を見つめていた。
せっかく、美月との距離が近づいたと思ったのに。
また、あの過去が邪魔をする。
美月には、まだ知られたくない。
今はただ、俺のことを好きになってほしい。
けれど――。
――優しい時間は、いつまでも続くとは限らない。
そして、彼女の知らない過去が、少しずつ二人の距離に影を落とし始めていた。