学校一のおバカ男子は、IQ200の意地悪でした。
静かな雪原に、シャッターを切る規則正しい音が優しく響き渡る。



その顔は、明らかに私の方を向いていた。



「柊くん、また撮って……。


お花を撮りに来たのでしょう?」




私が寒さで赤くなった頬を押さえながら抗議すると、柊くんはカメラをベンチに置くと、ゆっくりと私の目の前まで歩み寄ってきた。



彼の大きな身体が、満月の光を背に受けて私を包み込む。




「お花だけじゃ、画面が寂しいでしょ。この凍りつくような世界の中で、そんなに嬉しそうに瞳を輝かせる『俺だけの立花紬』がいてくれないと、最高の1枚にならないんだよね」



「それ、高校生のときも言ってた」




2人の微笑みが混じりあって溶けていく。
柊くんは私の手袋を外すと、冷え切った私の両手を、彼の逞しい手のひらで無言でぎゅっと包み込んだ。





「ねえ、紬。高校のとき、学校祭でリボン渡したの、覚えてる?」




「もちろん。私がテンパって、勘違いしたあのリボンでしょ?」



私が俯くと、柊くんはクスクスと愛おしそうに低く笑った。




「そう、あの時。恋のIQが3しかない紬に、俺、本気でフラれたと思って結構傷ついたんだからね。
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