学校一のおバカ男子は、IQ200の意地悪でした。
「紬から聞きました。お兄さんの好きなワインなんですよね。




俺も、このワインが好きですよ。
ありのままの、まっすぐな感じ。





高級で、価値のあるワインよりも、こっちのほうが深みがある気がするんです。




……これって、人間も同じじゃないかなって、俺は思ってます」






それは、あのお兄ちゃんに対するスマートな先制攻撃であり、圧倒的な実力の証明だった。





お兄ちゃんは一瞬、呆然とした後、高校生のあの学校祭の日と全く同じように、フッと自嘲気味に、でもどこか清々しい、綺麗な敗北の苦笑いを浮かべた。





「……参ったな。あの時から何も変わらない。
さすが、紬が惚れた男だな。




紬のことをちゃんと分かってる」




お兄ちゃんはワインボトルを愛おしそうに眺めると、私の方を振り返り、本当に優しく微笑んだ。
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