学校一のおバカ男子は、IQ200の意地悪でした。
「俺の秘密を黙っている代わりに、明日から毎日放課後、俺と一緒に過ごすこと。



委員長がバラさなきゃ、俺も委員長を『完璧な女の子』のままでいさせてあげる。


ね? 悪い話じゃないでしょ、紬」



初めて呼ばれた、苗字ではない、私の名前。


彼の唇から零れ落ちた「紬」という響きのあまりの甘さに、恋を何も知らない私の胸の奥で、何かが決定的に壊れる音がした。



「……っ、わかったわ。約束する」
「うん、よくできました」



如月くんは満足そうに微笑むと、いつの間にか論文を鞄にしまい、私の頭をぽんぽんと軽く叩いて、夕闇に染まる図書室を後にした。



残された私は、熱くなってしまった顔を両手で覆い、その場にへたり込むしかなかった。
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