学校一のおバカ男子は、IQ200の意地悪でした。
図書室の重い扉が閉まり、如月くんの足音が廊下の向こうへと完全に消え去ってからも、私の身体は金縛りにあったように動かなかった。




冷たい床の上にへたり込んだまま、自分の膝を強く抱きしめる。



『紬』



耳元で、彼にそう呼ばれた瞬間の空気の熱さが、まだ皮膚にこびりついて離れない。



心臓が、まるで全力疾走した後のようにうるさく、不規則なリズムで胸の裏側を叩き続けている。



あの如月くんが、あんな……!
なんだか、すごくいじわるっ……!



頭の中が、濁流に呑み込まれたように激しく混乱していた。
< 26 / 92 >

この作品をシェア

pagetop