学校一のおバカ男子は、IQ200の意地悪でした。
溢れんばかりの感謝を伝えようとした私の前に、如月くんがすっと歩み寄ってきた。眼鏡を外したままの彼の大きな身体が、夕闇の中で私の視界を塞ぐ。



「ねえ、その『如月くん』っての、そろそろやめない?」



「え……?」



如月くんは楽しそうに、でもどこか真剣な、熱い瞳で私を見下ろした。



「俺のことはいつまで経っても他人行儀な苗字呼び。


俺、今日これだけの奇跡を見せて、お兄さんにも勝ったんだけど。


……だからさ、これからは柊って呼んで?


それが紬からのお礼としてほしい」



「しゅ、柊、くん……っ?」
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