ほな、温泉行こか?
「だ、大丈夫です!独り言です!」

「そら分かっとるわ。声、丸聞こえやで」

個室の外から、呆れた声が返ってきた。

(うわぁぁ! 恥ずかしすぎる!)

悠はしばらく個室から出られなかった。

ようやく廊下に出ると、スマートフォンが震えた。

画面には、予約途中の旅館の案内が表示されていた。

(あかん!この部屋、埋まってまうかもしれん!)

(でも、泉さんに聞かんことには……)

その日の仕事が終わる頃には、悠の頭は温泉でいっぱいだった。

更衣室を出た悠は、泉の姿を見つけた。

「あっ! 泉さん!」

「ん? 悠やん。お疲れさん!」

「あの……ちょっとお話があるんですけど」

「なんや、改まって」

悠は周囲を見回した。

まだ何人かの社員が残っている。

「ここではちょっと……」

「ほな、いつものおでん屋で話そか」

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