ほな、温泉行こか?
(いや、待て待て!)

悠は予約確定のボタンを押す寸前で指を止めた。

(泉さんに確認してからやないとあかんやろ!)

危うく一人で盛り上がって予約するところだった。

(せやけど、どうやって誘お……)

悠はスマートフォンをポケットにしまった。

「泉さん、今度一緒に温泉行きませんか?」

小声で呟いてみる。

(……なんか普通やな)

「泉さん! 混浴できる温泉見つけたんです!」

(いやいや! いきなり混浴はあかん!)

「泉さん、俺と一泊旅行しませんか?」

(うわっ!めっちゃ下心丸出しやん!)

悠は両手で顔を覆った。

(あかん……何言うても怪しく聞こえる!)

そのとき、個室の外から声がした。

「おい、さっきから何ブツブツ言うとんねん?」

「ひゃいっ!?」

「……大丈夫か、お前?」

(うわぁぁ! 全部聞かれとったんか!?)

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