ほな、温泉行こか?
悠の運転する車は、街中を抜けて走り出した。

助手席の泉は、窓の外を眺めながら上機嫌だった。

「なぁ、悠。どこのスパ行くん?」

(……スパ?)

(ああ、温泉のことか!)

「それは着いてからのお楽しみです!」

「なんや、内緒なん?」

「はい! 期待しといてください!」

(そらもう、期待してもらわな困る!)

(露天風呂付きの部屋に、豪華な料理……)

(ほんで、夜は……)

悠の口元が思わず緩んだ。

「悠、何ニヤニヤしとん?」

「な、何でもありません!」

「変な子やなぁ」

やがて車は、緑の多い山道へと入っていった。

「こんな山ん中に、ほんまにスパなんかあるん?」

(またスパ言うとるな……まあ、温泉はあるし!)

「ありますよ!めっちゃええとこです!」

(泉さん、びっくりするやろなぁ!)

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