ほな、温泉行こか?
それから一時間。

悠は部屋の時計を見上げた。

(……遅ない?)
泉が大浴場へ行ってから、随分と時間が経っていた。

(まさか、のぼせて倒れとるんちゃうやろな?)

心配になって立ち上がった、そのとき。

「ただいまぁ!」

勢いよく襖が開いた。

「泉さん!大丈夫でした!?」

「ん?何が?」

「いや、なかなか戻ってこないから……」

「ああ!お風呂、めっちゃ気持ちよかったで!」

泉は満面の笑みで畳に腰を下ろした。

「露天風呂も広いし、寝湯まであってなぁ!」

「そ、そうですか……」

「やっぱり温泉は大浴場に限るわ!」

(……部屋の露天風呂、完全に負けとるやん)

「悠はお風呂入ったん?」

「い、いえ、まだです」

「ほな、行っといで!ウチ、ビール飲んどくわ!」

(えっ!? もう飲むん!?)

「それとも、そこの狭い露天風呂に悠が入ってるのを、ウチが眺めてあげよか?笑」
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