ほな、温泉行こか?
「ちょ、ちょっと待ってください!」

悠は慌てて立ち上がった。

「せっかく部屋にも露天風呂があるんですから……」

「悠、入りたかったら入ってきたらええやん」

「えっ?」

「ウチは大浴場行ってくるし」

(いやいや!そういうことちゃうねん!)

(一緒に入りたいんや、俺は!)

しかし、そんなことを言えるはずもなかった。

「ほな、あとでな!」

泉は浴衣とタオルを手に、部屋を出ていった。

一人残された悠は、露天風呂を見つめた。

(……なんのために高い部屋予約したんや)

肩を落としながら、窓の外に目を向ける。

(いや、まだや!)

(晩ご飯は豪華な会席料理やし、飲み放題もある!)

(そこでええ雰囲気になれば……)

悠はグッと拳を握った。

(勝負は今夜や!)

(……せやけど、泉さん、飲みすぎんといてや!)

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