ほな、温泉行こか?
泉は握られた手に視線を落とした。

「……悠?」

「あの……泉さん」

「ん?」

「もうちょっと、こうしててもええですか?」

泉は悠の顔を見つめ、ふっと笑った。

「ええよ」

(……ええんや!)

悠は泉の手を握り直した。

いつもなら、ここでからかわれるところだ。

しかし、今夜の泉は何も言わなかった。

「泉さん……」

「なんやの?」

悠はゆっくりと顔を近づけた。

泉は逃げることなく、そっと目を閉じた。

二人の唇が優しく重なった。

(……キスできた!)

(しかも、泉さんから目ぇ閉じてくれた!)

悠の胸が期待でいっぱいになる。

(これは……今夜こそ、いけるんちゃうか!?)

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