ほな、温泉行こか?
「……はい」

悠は蚊の鳴くような声で答えた。

「はぁ!? あんた、何しに来たん!?」

「す、すみません!」

(えっち付きの温泉旅行です! ……なんて今さら言えるかぁ!)

泉は呆れたように大きなため息をついた。

「混浴できる旅館は一生懸命探したんやろ?」

「……はい」

「豪華な料理も、飲み放題も予約したんやろ?」

「……はい」

「ほんで、一番肝心なもん忘れたん?」

「……はい」

泉はしばらく悠を見つめていた。

そして、突然吹き出した。

「あはははっ! 悠、ほんまアホやなぁ!」

(わ、笑われた……)

「まあ、しゃあないわ。今日はもう寝よか」

「……はい」

(俺の温泉旅行計画がぁぁぁ!!)

悠はがっくりと肩を落とした。

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