イケメンだらけのドラッグストアでいつのまにか全員から執着されていました
説教飯(?)のはずがイケメンたちが大集結した件
私は薬師寺天音(やくしじあまね)、二十八歳。
なぜか現在、恐れ多いほどのイケメンたちに囲まれている。
というのも、私は高校までずっと女子校育ち。大学も『東京薬科学大学』の女子部出身で、キャンパス自体が男子部と綺麗に分かれていたため、昔から男性慣れというものを一切していないのだ。
(しかも……私、多分これからめちゃくちゃ怒られます……!)
怖い。けれど横を見ると尊い。一体私の胃はどうなっちゃうの!?
私のすぐ隣を歩いているのは、バッチリとスマートなスーツに身を包んだ当統括の神楽坂迅(かぐらざかじん)エリア長だ。
有名難関校の桜星薬科大学を卒業したエリートで、若くしてエリア長までスイスイと上り詰めた超人。薬剤師でありながら、なぜかFP(ファイナンシャルプランナー)の資格まで持っているという謎のハイスペックぶりだ。
そんな超絶エリートが私なんかに話しかけてくるなんて、お説教(ノルマの詰め)以外の何物でもないはずである。
……ちなみに、残りの二人も別格だ。
同期の一ノ瀬蓮(いちのせれん)薬局長は、東方大学薬学部をトップクラスで卒業した秀才。首席こそ同期の氷室涼香ちゃんに譲ったものの、歴代二位タイの優秀な成績(なんと神楽坂エリア長と同率!)を修め、新人賞にもノミネートされた実力者だ。お父様は開業医らしく、何不自由なく育った本物のエリートである。
そして新人の橘陸(たちばなりく)くんは、私と同じ東京薬科学大学出身。男子部出身だからか、親近感を持って私によくなついてくれている。
メンズメイクや美容にも詳しくて、とにかく見た目が煌びやか。地味な私には眩しすぎる存在だ。男子高(それもあの函館ラッサール高校!)から男子部というゴリゴリの男子校ルートを歩んできたというのに、どうしてこんなに人懐っこくて可愛らしいのかしら……どうかしているわ。
「——着いたぞ」
「ひえっ!?」
怯えている間に、目的地に着いてしまった。
案内されたのは、なんともおしゃれな雰囲気の『北海道イタリアン ミラポッカ』というお店だ。
「すまんな、君の食べられるものが分からなかったので予約はしなかったのだが……ここでよいか?」
「そっ、そんな! 私、普段着も芋っぽいですし……オシャレすぎるお店だとドレスコードが……っ」
「いや……薬師寺先生は可愛いよ」
「!!?」
不意打ちの言葉に、耳までカッと赤くなってしまう。
「とっ! とにかく入りましょう!!」
動揺を隠すように慌てて店内へ足を向けたけれど……私は知らなかった。
私たちの後ろを、コソコソと尾行してきた二人のイケメンがいたなんて。
* * *
「おい橘……あの後、何か聞いてたか?」
「んー何にも。ただ、いつも怖いエリア長が天音さんにだけ優しーく笑顔を向けるんですよね。気になります!」
「くっ……俺の天音ちゃんをエリア長権限で独占しようなんて許せねーぜ!」
「はっ! いつから一ノ瀬薬局長の天音さんになったんですか!? 僕の指導員兼ゲキカワ薬局長ですよ!」
「なっ……この野郎……」
「って一ノ瀬薬局長! 二人が店に入りますよ!」
「俺たちも続くぞ、橘!」
* * *
「あっ……あの……神楽坂エリア長。店舗の数字や業務で、何か不具合がありましたでしょうか……?」
席に着くなり、私は怯えながら尋ねた。神楽坂エリア長は少し意外そうに目を丸くする。
「いや、無いぞ?」
「えっ……?」
「君はいつも間違わないように気を張り詰めているからな。ミスもなく、本部からの評判も抜群だ。確かに白鳥駅前店の氷室君も素晴らしいが、彼女には出せない『素晴らしい魅力』が君にはある。……まあ、今日は息抜きだな。実際、俺も薬師寺先生とちょっと呑んでみたいなと思って……」
「「ちょっと待ったーーーー!!!」」
店内を突き破るような大声とともに、二人のイケメンがテーブル席になだれ込んできた。
「エリア長特権なんてパワハラっすよ、神楽坂エリア長!!」
「そうですよそうですよ! 僕が天音さんにボーナスで一番先に奢るって決めてたんですから!」
噛みつく一ノ瀬薬局長と橘くん。それを冷ややかな眼光で見つめ返す神楽坂エリア長。
(な、なんで私がこんなことに〜〜!? 男性免疫がないから脳みそがどうにかなっちゃうよ〜〜!!)
こうして、私の胃壁を激しく削る「超絶イケメン3人との賑やかな(?)飲み会」が幕を開けたのだった。
なぜか現在、恐れ多いほどのイケメンたちに囲まれている。
というのも、私は高校までずっと女子校育ち。大学も『東京薬科学大学』の女子部出身で、キャンパス自体が男子部と綺麗に分かれていたため、昔から男性慣れというものを一切していないのだ。
(しかも……私、多分これからめちゃくちゃ怒られます……!)
怖い。けれど横を見ると尊い。一体私の胃はどうなっちゃうの!?
私のすぐ隣を歩いているのは、バッチリとスマートなスーツに身を包んだ当統括の神楽坂迅(かぐらざかじん)エリア長だ。
有名難関校の桜星薬科大学を卒業したエリートで、若くしてエリア長までスイスイと上り詰めた超人。薬剤師でありながら、なぜかFP(ファイナンシャルプランナー)の資格まで持っているという謎のハイスペックぶりだ。
そんな超絶エリートが私なんかに話しかけてくるなんて、お説教(ノルマの詰め)以外の何物でもないはずである。
……ちなみに、残りの二人も別格だ。
同期の一ノ瀬蓮(いちのせれん)薬局長は、東方大学薬学部をトップクラスで卒業した秀才。首席こそ同期の氷室涼香ちゃんに譲ったものの、歴代二位タイの優秀な成績(なんと神楽坂エリア長と同率!)を修め、新人賞にもノミネートされた実力者だ。お父様は開業医らしく、何不自由なく育った本物のエリートである。
そして新人の橘陸(たちばなりく)くんは、私と同じ東京薬科学大学出身。男子部出身だからか、親近感を持って私によくなついてくれている。
メンズメイクや美容にも詳しくて、とにかく見た目が煌びやか。地味な私には眩しすぎる存在だ。男子高(それもあの函館ラッサール高校!)から男子部というゴリゴリの男子校ルートを歩んできたというのに、どうしてこんなに人懐っこくて可愛らしいのかしら……どうかしているわ。
「——着いたぞ」
「ひえっ!?」
怯えている間に、目的地に着いてしまった。
案内されたのは、なんともおしゃれな雰囲気の『北海道イタリアン ミラポッカ』というお店だ。
「すまんな、君の食べられるものが分からなかったので予約はしなかったのだが……ここでよいか?」
「そっ、そんな! 私、普段着も芋っぽいですし……オシャレすぎるお店だとドレスコードが……っ」
「いや……薬師寺先生は可愛いよ」
「!!?」
不意打ちの言葉に、耳までカッと赤くなってしまう。
「とっ! とにかく入りましょう!!」
動揺を隠すように慌てて店内へ足を向けたけれど……私は知らなかった。
私たちの後ろを、コソコソと尾行してきた二人のイケメンがいたなんて。
* * *
「おい橘……あの後、何か聞いてたか?」
「んー何にも。ただ、いつも怖いエリア長が天音さんにだけ優しーく笑顔を向けるんですよね。気になります!」
「くっ……俺の天音ちゃんをエリア長権限で独占しようなんて許せねーぜ!」
「はっ! いつから一ノ瀬薬局長の天音さんになったんですか!? 僕の指導員兼ゲキカワ薬局長ですよ!」
「なっ……この野郎……」
「って一ノ瀬薬局長! 二人が店に入りますよ!」
「俺たちも続くぞ、橘!」
* * *
「あっ……あの……神楽坂エリア長。店舗の数字や業務で、何か不具合がありましたでしょうか……?」
席に着くなり、私は怯えながら尋ねた。神楽坂エリア長は少し意外そうに目を丸くする。
「いや、無いぞ?」
「えっ……?」
「君はいつも間違わないように気を張り詰めているからな。ミスもなく、本部からの評判も抜群だ。確かに白鳥駅前店の氷室君も素晴らしいが、彼女には出せない『素晴らしい魅力』が君にはある。……まあ、今日は息抜きだな。実際、俺も薬師寺先生とちょっと呑んでみたいなと思って……」
「「ちょっと待ったーーーー!!!」」
店内を突き破るような大声とともに、二人のイケメンがテーブル席になだれ込んできた。
「エリア長特権なんてパワハラっすよ、神楽坂エリア長!!」
「そうですよそうですよ! 僕が天音さんにボーナスで一番先に奢るって決めてたんですから!」
噛みつく一ノ瀬薬局長と橘くん。それを冷ややかな眼光で見つめ返す神楽坂エリア長。
(な、なんで私がこんなことに〜〜!? 男性免疫がないから脳みそがどうにかなっちゃうよ〜〜!!)
こうして、私の胃壁を激しく削る「超絶イケメン3人との賑やかな(?)飲み会」が幕を開けたのだった。