きみが窓を見なくなるまで
教室の前で、一度だけ足を止めた。

中から、いつもの声が聞こえる。

扉を開けると、最初にみなみと目が合った。

「妃菜!」

思ったより明るい声で呼ばれて、肩が少し上がる。

「今日、そのままなんだ」

「……うん」

みなみが近づいてきて、私の横へ回った。

「いい。昨日より高い?」

「少し」

「こっちも似合う」

私は鞄の持ち手を握り直した。

「ありがとう」

顔が熱くなる。

みなみは私を正面から見て、少し笑った。

「そんな緊張しなくても」

「してるように見える?」

「ちょっとだけ」

隠せていなかったらしい。

私はそのことがおかしくて、ようやく息を吐いた。
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