きみが窓を見なくなるまで
高木くんの視線が、私の横顔へ向いていた。

「今日、結んでんだな」

「……うん」

朝から、ずっと。

そう答えそうになって、やめた。

「体育じゃないけど」

余計なことを言ってしまった。

彼の口元が、少し動く。

「知ってる」

「そうだよね」

自分でも笑ってしまった。

同じ授業を受けていたのだから、知っている。

私は鞄を持ち直した。

高木くんは一度、視線を廊下の先へ向けた。

それから、こちらへ戻す。

「いいと思う」

何が、と聞かなくてもわかった。

でも、返事の仕方がわからなかった。
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