きみが窓を見なくなるまで
「……変じゃない?」

口にした途端、もっと別のことを言えばよかったと思った。

褒めてもらったあとで、もう一度確かめている。

高木くんは眉をわずかに寄せた。

「変じゃない」

返事は早かった。

私は指先で鞄の縫い目に触れた。

「慣れてなくて」

「うん」

「ずっと、下ろしてたから」

「知ってる」

二度目のその言葉に、私は顔を上げた。

彼は私を見ていた。

いつも下ろしていたことを、知っている。

同じクラスなのだから。

そう考えたのに、胸のあたりが落ち着かなかった。

高木くんが本を持つ手を変えた。

「似合ってる」

今度は、何を言われたのか考える必要がなかった。
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