きみが窓を見なくなるまで
何と言えばいいのか、少し迷った。

起きて最初に顔を見るのが恥ずかしい。

でも、このまま黙っているわけにもいかない。

「……高木くん」

声が、思ったより小さかった。

彼が顔を上げる。

「起きた?」

私は頷いた。

襟を持ったまま、少し体を起こす。

「これ」

「うん」

彼は、自分のブレザーを見た。

「窓、換気で開けたから」

入口の近くの窓が、細く開いていた。

廊下側から、少し冷たい空気が入ってくる。

私は肩の重さを、急にはっきり感じた。

「……ありがとう」

高木くんは本へ目を落とした。

「別に」
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