きみが窓を見なくなるまで
その日の放課後、隼人くんは少し遅れて図書室へ来た。

鞄を持ったままカウンターへ寄る。

「今日、病院行ってきた」

私は顔を上げた。

「足?」

「うん」

「どうだった?」

彼の返事を待つ間、肩に少し力が入る。

隼人くんは私の前の椅子へ座った。

「動かすの、少し増やしていいって」

私は息を吐いた。

「よかったね」

彼の口元が緩む。

「うん。来週から、部活のほうも顔出そうかと思ってる」

私は、もう一度頷いた。

今度は少しだけ、動くのが遅れた。

それでも笑えたと思う。

彼にとって、うれしいことだったから。
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