きみが窓を見なくなるまで
聞きたかったのは、また来るのかということだった。

でも、来てほしいと同じ意味になってしまう。

隼人くんは私の手元を見た。

「それ、次に読むやつ?」

私は置いていた本を持ち上げる。

「うん。まだ決めてないけど」

「面白かったら教えて」

「……うん」

簡単な約束が、また一つできる。

その約束は、いつまで続くのだろう。

部活へ戻っても。
怪我をしていなかった頃の放課後に戻っても。

私は表紙の端を撫でた。

隼人くんは、私がそんなことを考えているとは知らず、本の紹介文を覗き込んだ。
< 258 / 385 >

この作品をシェア

pagetop