きみが窓を見なくなるまで
翌朝、隼人くんは少し眠そうだった。

机へ片肘をつき、陸くんの話を聞いている。

私が通りかかると、顔を上げた。

「おはよ」

「おはよう。昨日、どうだった?」

聞くと、彼の目元が少し緩んだ。

「軽く動いた」

「痛くなかった?」

「今んとこ、大丈夫」

私は頷いた。

よかった。

そう思ったのは、本当だった。

「まだ、見てるほうが長いけど」

隼人くんは自分の足元を一度見てから、私へ視線を戻した。

「でも、行ってよかった」

私は鞄の持ち手を握り直した。

「……うん」

もう少し明るく返したかった。

でも、彼がうれしそうだったから、私も自然に笑えた。
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