きみが窓を見なくなるまで
四時を過ぎると、図書室にいた生徒が少しずつ帰り始めた。

出入口に近い机で勉強していた二人組。
雑誌を読んでいた先輩。
借りる本をなかなか決められなかった一年生。

扉が閉まるたび、外の音が近くなる。

私は当番ノートへ貸出冊数を書き足した。

顔を上げる。

高木くんが、窓を向いていた。

本は開いたままだった。

ページの端に置かれた指が、動かない。

その向こうで、テニスボールが弾んだ。

ああ、と私は思った。

本を読むためだけに、来たわけではないのかもしれない。
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