きみが窓を見なくなるまで
一人でいる高木くんを、私はあまり見たことがなかった。

だから、意外だった。

けれど、不自然ではなかった。

周りに人がいなくても、彼はちゃんと高木くんだった。

誰かを待っている様子もなく。
スマホを何度も確かめることもなく。

ただ、ときどき本から目を上げる。

それを、落ち着いていると思った。

今なら、別の言葉もあったのかもしれない。

けれど、そのときの私には、まだわからなかった。

私は彼のことを、教室で見かける分しか知らなかったから。
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