きみが窓を見なくなるまで
今度は、ちゃんと聞いた。

探偵が最初に会った人の、何でもない一言。

あとから意味が変わる場所だった。

私は頷く。

「そこ、私も読み直した」

「だよね。書いてあったのに、全然違うふうに読んでた」

みなみが笑う。

私も、少し遅れて笑った。

そのあと、彼女は本を閉じた。

「妃菜、今日のお弁当、それだけ?」

私は自分の机を見た。

弁当箱を出していなかった。

水筒と、箸だけ。

「あ」

みなみは笑わなかった。

私は鞄から弁当箱を出し、机へ置いた。

「忘れてた」

自分で言って、少し情けなくなった。
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