きみが窓を見なくなるまで
昼休み、みなみが私の机へ来た。

「妃菜、これ」

差し出されたのは、緑色の文庫本だった。

この前勧めた、推理小説。

「読み終わった?」

「うん。犯人、外した」

私は少し笑った。

みなみは椅子へ座り、どこで間違えたのか話し始める。

私は頷きながら聞いた。

途中で、彼女が言葉を止める。

「……今の、読んでたとき気づいた?」

私は顔を上げた。

「何に?」

みなみが私を見る。

ほんの少し間が空いた。

私は慌てて笑った。

「ごめん。もう一回、言って」

彼女は本へ目を落として、同じところを話してくれた。
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