きみが窓を見なくなるまで
私は椅子の端を握った。

窓を向いていた彼。

私が笑ったあと、口元を緩めていた彼。

誰かの姿を追っているのだと思った。

自分にはわからない出来事で、笑っているのだと思った。

「じゃあ」

言葉を一つ、押し出す。

「あのときも?」

何の日か、まだ説明していなかった。

でも、隼人くんは私を見ていた。

私はガラスの中で、彼と目を合わせた。

「顔、赤くなって……振り返った日」

彼の口元が、わずかに動いた。

片手が、首の後ろへ上がる。

「……うん」

その返事で、私の頬まで熱くなった。
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