きみが窓を見なくなるまで
その夜、鏡の前で髪を集めた。

昨日より少し高い位置。

結んでみると、横の髪がたるんだ。

ほどく。
もう一度、指を通す。

三回目で、ようやく形になった。

顔の横に何もないと、落ち着かない。

頬も、耳も、いつもよりよく見える。

私は首を少し傾けた。

大きく変わったわけではない。

髪を、まとめただけ。

似合わなかったら、ほどけばいい。

その当たり前のことを考えるまでに、ずいぶん時間が掛かった気がした。

明日、結んでいこう。

そう決めてから、鏡の中の自分へ、小さく頷いた。
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