ワンコなふりしてドSだなんて、どういうことですか!
路地を曲がってすぐ、九条先生を指をさす。
「あそこです。見えるでしょ」
と言われても、街並みはすでに夜の闇に沈んでいる。居並ぶ建物にどれが彼の言うあそこかわからないが、見えるほど近いのだけはわかった。実際に九条先生のマンションは、バーから歩いて五分もかからなかった。
二階建ての低層レジデンスで、彼の部屋は二階の角にあり、高層階の眺望より、地に足のついた静けさを選んだような住まいだった。
「どうぞ」
「おじゃまします」
室内は広く、余分なものが少ない。上質なオーク材の家具で統一されたリビングには、読みかけらしい専門書が数冊、綺麗に整頓されて置かれている。けれど無機質ではなく、どこか人の気配があってほっとする。そんな部屋だった。
早速洗面所に通される。
「石鹸はここです。着替えを持ってくるから、ちょっと待っててください」
「すみません、ありがとうございます」
九条先生が用意してくれたのは、おそらくは彼自身の白いTシャツとネイビーの短パンだった。
「あそこです。見えるでしょ」
と言われても、街並みはすでに夜の闇に沈んでいる。居並ぶ建物にどれが彼の言うあそこかわからないが、見えるほど近いのだけはわかった。実際に九条先生のマンションは、バーから歩いて五分もかからなかった。
二階建ての低層レジデンスで、彼の部屋は二階の角にあり、高層階の眺望より、地に足のついた静けさを選んだような住まいだった。
「どうぞ」
「おじゃまします」
室内は広く、余分なものが少ない。上質なオーク材の家具で統一されたリビングには、読みかけらしい専門書が数冊、綺麗に整頓されて置かれている。けれど無機質ではなく、どこか人の気配があってほっとする。そんな部屋だった。
早速洗面所に通される。
「石鹸はここです。着替えを持ってくるから、ちょっと待っててください」
「すみません、ありがとうございます」
九条先生が用意してくれたのは、おそらくは彼自身の白いTシャツとネイビーの短パンだった。