ワンコなふりしてドSだなんて、どういうことですか!
 これ以上は無理だと必死にもがく私の両手は、彼の大きな手のひらに容易く捕らえられ、ソファーの背もたれへと縫い留められた。

 抵抗を封じるように、男らしい指が私の指の隙間に滑り込み、ぎゅっと、骨が軋むほどの力で恋人繋ぎに噛み合わされる。

 逃げられない。ビクビクと震える私の身体から、抵抗する力なんてとっくに奪い去られていて、なすすべもなかった。

「三年前から……ずっとこうしたいと思ってた」

 一瞬だけ離れた唇から、熱い吐息と共に、鼓膜を痺れさせる低く掠れた声が漏れる。

 えっ?

 視線の逃げ場を塞ぐように、彼は至近距離で私を睨み据えた。

「ずっと、あなただけを見てた……」

 彼の瞳には、これまでに見たこともないほどの歪んだ独占欲と、ギラついた獣のような光が宿っていた。泣き出しそうなほど必死なのに、絶対に譲らないという執念の深さに背筋がゾクりと震える。

「もう、他の男の影なんて全部消してあげる」

 再び重なる唇は、さっきよりも格段に熱く、そして蕩けるように甘い。
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