ワンコなふりしてドSだなんて、どういうことですか!
白亜の佇まい――。
医療法人聖英会桜風医院はその名に相応しい清廉な病院だった。
庭には大きな桜の木が一本。今は青々と葉が茂っているが、春には見事な花を咲かせ、新入りの私を歓迎してくれるのだろう。
改装して間もないという病棟は、明るく清潔感に満ちていた。
白い壁に大きな窓、廊下の突き当たりからは中庭の鮮やかな緑が見える。古い病院にありがちな、あの独特な薬品の匂いも一切ない。今日からここで働くのだと思うと、吸い込んだ空気まで新しく、心地よく感じられた。
まずは事務室を訪れ、緊張しながら書類の提出や手続きを済ませる。一息つく間もなく、事務長が「では、副院長にご挨拶に行きましょう」と立ち上がった。案内されるままピカピカに磨かれた廊下を進む。胸の鼓動が少しずつ速くなっていく。
そして、副院長室のある区画に差し掛かったときだった。
少し先で看護師と立ち話をしている白衣の医師の姿が目に入る。