きみが待つ空へ ~敏腕パイロットは命をかけて愛を守る~
「うっそ、信じられない! なんで断ったりしたの!」
愛実が勢いよく立ち上がり、テーブル越しに身を乗り出してきた。
私は愛実に、颯さんから告白されたこと、でも自分が彼に釣り合わない気がして返事を先送りにしたことを話した。
日曜の午後のカフェは、ほぼ満席だ。
周囲の視線に気づき、私は慌てて唇に人差し指を当てた。
「しーっ。断ったわけじゃないって。ただ、考える時間が欲しいって伝えただけで……」
「同じようなものでしょ」
「まあ……うん……」
「それでいいの」
愛実に真顔で問われ、顔を上げられなくなった。
「美桜は、颯キャプテンの職業も、将来の立場も知らない時から惹かれてたんでしょ? キャプテンも同じなんじゃない? 立場の釣り合う相手を選ぶなら、最初から政財界の御令嬢とか、有名大卒の才媛とかとお見合いしているはずだもの」
愛実の言葉が、胸に響いていく。
「今のままの美桜でいいんだよ。美桜も、ちゃんと気持ちを伝えなよ」
……そうだ。きっと、愛実の言う通りだ。
颯さんに釣り合おうと、背伸びする必要はない。
彼への気持ちを隠すこともない。
私は私らしく、これまでどおり、仕事も日々の暮らしも精一杯頑張ればいい。
その積み重ねの先に、彼の隣で心から笑っている私がいる。
愛実に、大きく頷いて見せる。
「で、いつ言うの?」
私の迷いに耳を傾けてくれていた愛実が、今度は目を輝かせた。
「次に会うのは、どこの国? どこの街?」
「ねえ、落ち着いてよ。まだ決めてないって」
「だって、美桜があの颯キャプテンの彼女になるんでしょ? あー羨ましい!」
「もう。やめてったら」
思わず苦笑する。
「予定が合わないから先になりそうなんだ。次、颯さんはトルコだし、私は2週間イラードだから」
「ふうん、そっか。隣どうしの国でも、今までみたいにスキマの時間に会えるような距離じゃないものね」
「つまんないなあ」と口を尖らせる愛実に笑いかけ、コーヒーを一口飲む。
颯さんに想いを伝えるのは、いつになるのだろう。
とりあえず、来週からのイラード行きの準備をしなければ。
けれど、私は、まだ知らなかった。
そのイラードで、思いもよらない事態が待ち受けていることを。
愛実が勢いよく立ち上がり、テーブル越しに身を乗り出してきた。
私は愛実に、颯さんから告白されたこと、でも自分が彼に釣り合わない気がして返事を先送りにしたことを話した。
日曜の午後のカフェは、ほぼ満席だ。
周囲の視線に気づき、私は慌てて唇に人差し指を当てた。
「しーっ。断ったわけじゃないって。ただ、考える時間が欲しいって伝えただけで……」
「同じようなものでしょ」
「まあ……うん……」
「それでいいの」
愛実に真顔で問われ、顔を上げられなくなった。
「美桜は、颯キャプテンの職業も、将来の立場も知らない時から惹かれてたんでしょ? キャプテンも同じなんじゃない? 立場の釣り合う相手を選ぶなら、最初から政財界の御令嬢とか、有名大卒の才媛とかとお見合いしているはずだもの」
愛実の言葉が、胸に響いていく。
「今のままの美桜でいいんだよ。美桜も、ちゃんと気持ちを伝えなよ」
……そうだ。きっと、愛実の言う通りだ。
颯さんに釣り合おうと、背伸びする必要はない。
彼への気持ちを隠すこともない。
私は私らしく、これまでどおり、仕事も日々の暮らしも精一杯頑張ればいい。
その積み重ねの先に、彼の隣で心から笑っている私がいる。
愛実に、大きく頷いて見せる。
「で、いつ言うの?」
私の迷いに耳を傾けてくれていた愛実が、今度は目を輝かせた。
「次に会うのは、どこの国? どこの街?」
「ねえ、落ち着いてよ。まだ決めてないって」
「だって、美桜があの颯キャプテンの彼女になるんでしょ? あー羨ましい!」
「もう。やめてったら」
思わず苦笑する。
「予定が合わないから先になりそうなんだ。次、颯さんはトルコだし、私は2週間イラードだから」
「ふうん、そっか。隣どうしの国でも、今までみたいにスキマの時間に会えるような距離じゃないものね」
「つまんないなあ」と口を尖らせる愛実に笑いかけ、コーヒーを一口飲む。
颯さんに想いを伝えるのは、いつになるのだろう。
とりあえず、来週からのイラード行きの準備をしなければ。
けれど、私は、まだ知らなかった。
そのイラードで、思いもよらない事態が待ち受けていることを。