きみが待つ空へ ~敏腕パイロットは命をかけて愛を守る~
美桜に何度電話を掛けたかわからない。
通信状態が悪くなっているらしく、回線が繋がる前に切れてしまう。
無事なのか、不安が募る。
やっと彼女の声が聞けたのは、明け方近くだった。
『颯さん!』
「美桜!」
繋がった瞬間、俺たちは互いの名前を呼び合った。
「そっちは、どう?」
『ホテルの周りは今のところ大丈夫です。お客様も落ち着いていらっしゃいます』
「よかった」
息を吐くが、安心はできない。
「今、東亜航空で救援機を飛ばすための手続きをしている。トルコから飛ぶことになった」
察したのか、美桜が息を呑む気配が感じられた。
「機長は、俺だ」
『そんな! 危険です!』
美桜が鋭い声を上げる。
彼女がどれだけ俺を心配しているのか、痛いほど伝わってくる。
「聞いて、美桜。俺はきみを大切に思っている。だから、自分の手で、きみを助けたい。だけど、それだけじゃない。東亜を継ぐ人間としての責任と、パイロットとして誇りを賭けて、飛ぶと決めたんだ」
『颯さん……』
声が掠れている。あの気丈な美桜が、泣いている。
『颯さん……私、怖い』
「大丈夫。必ず迎えに行く。空港で待っている」
『でも』
「美桜なら、できる。自分を信じて」
電波が途切れ始めた。美桜の嗚咽がノイズにかき消される。
「美桜……!」
呼びかけた直後、電話はプツリと切れた。
スマホからは無機質な通話終了音が響いている。
俺は、もう声の届かない彼女に、祈るような思いで呟いた。
「……必ず、来てくれ」
通信状態が悪くなっているらしく、回線が繋がる前に切れてしまう。
無事なのか、不安が募る。
やっと彼女の声が聞けたのは、明け方近くだった。
『颯さん!』
「美桜!」
繋がった瞬間、俺たちは互いの名前を呼び合った。
「そっちは、どう?」
『ホテルの周りは今のところ大丈夫です。お客様も落ち着いていらっしゃいます』
「よかった」
息を吐くが、安心はできない。
「今、東亜航空で救援機を飛ばすための手続きをしている。トルコから飛ぶことになった」
察したのか、美桜が息を呑む気配が感じられた。
「機長は、俺だ」
『そんな! 危険です!』
美桜が鋭い声を上げる。
彼女がどれだけ俺を心配しているのか、痛いほど伝わってくる。
「聞いて、美桜。俺はきみを大切に思っている。だから、自分の手で、きみを助けたい。だけど、それだけじゃない。東亜を継ぐ人間としての責任と、パイロットとして誇りを賭けて、飛ぶと決めたんだ」
『颯さん……』
声が掠れている。あの気丈な美桜が、泣いている。
『颯さん……私、怖い』
「大丈夫。必ず迎えに行く。空港で待っている」
『でも』
「美桜なら、できる。自分を信じて」
電波が途切れ始めた。美桜の嗚咽がノイズにかき消される。
「美桜……!」
呼びかけた直後、電話はプツリと切れた。
スマホからは無機質な通話終了音が響いている。
俺は、もう声の届かない彼女に、祈るような思いで呟いた。
「……必ず、来てくれ」