キスするくせに、彼氏じゃない。
話しかける理由を考えた。

朝、会った。

本の話もした。

だから、挨拶くらいしてもおかしくない。

 

でも。

 

読んでいるところを邪魔するのは、どうなんだろう。

 

迷った末に背を向けると、すぐ後ろから声がした。

 

「何探してるの」

 

振り返る。

瀬川くんが顔を上げていた。

 

「……別に、決めてない」

「そう」
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