キスするくせに、彼氏じゃない。
先輩は少し考えるように、唇を結んだ。

 

「なるほどね」

 

否定されなかったことに、ほっとした。

 

「白石さんと話すと、ちゃんと考えるな、俺」

「そんなことないです」

「あるよ。今、適当に『わかる』って言いそうになった」

 

正直な言い方だった。

私は思わず笑ってしまった。

 

先輩の視線が、一度だけ私の顔に止まる。
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