キスするくせに、彼氏じゃない。
「最後は、あんまり好きじゃなかった」

「そうなんだ」

「でも途中は面白かった」

 

私は顔を上げた。

 

瀬川くんはこちらを見ていた。

 

少しして、私も笑った。

 

「じゃあ、楽しみに読む」

 

彼は小さくうなずいた。

 

本を鞄へ入れ、靴を履き替える。

隣で待っている気配がする。
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