キスするくせに、彼氏じゃない。
彼は一瞬、考えるような顔をした。

 

「本、読み終わったから」

 

鞄から文庫本を出す。

朝、電車で見せてもらった本だった。

 

私は両手で受け取った。

 

「ありがとう」

「ゆっくりでいい」

「感想、変わった?」

 

聞くと、彼は靴箱を閉めた。
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