キスするくせに、彼氏じゃない。
触れたのは。

 

私は口元へ手を上げかけて、止めた。

 

「痛くない?」

 

聞かれて、首を横に振る。

 

彼の視線が、私の肩と膝を確かめた。

 

「立てる?」

「……うん」

 

支えてもらって、ゆっくり立ち上がる。

足首は痛くなかった。

膝も、少し床に当たっただけだった。
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