キスするくせに、彼氏じゃない。
何が起きたのか、すぐにはわからなかった。

 

瀬川くんが顔を離す。

 

彼も、驚いていた。

普段より少し開かれた目が、私の顔を見ている。

 

廊下の奥で、雨音がした。

 

「……ごめん」

 

低い声で、ようやくわかった。
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