キスするくせに、彼氏じゃない。
階段を下りるときも、手は離れなかった。

 

私は足元を見ていた。

律も、いつもよりゆっくり歩いた。

 

さっき何が起きたかは、わかっている。

でも、それがどういう意味なのかは、まだわからない。

 

聞く勇気はなかった。

 

廊下の向こうから人の声がして、私は指先を動かした。
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