キスするくせに、彼氏じゃない。
律がこちらを見る。

 

目が合うと、また頬が熱くなった。

 

私はつないだ手を見た。

 

彼は一度だけ私の指を軽く握ってから、ゆっくり離した。

 

引き止めたいのか、ほっとしたのか。

自分でも、よくわからなかった。

 

昇降口まで、二人ともほとんど話さなかった。

 

私は靴を履き替え、折り畳み傘を取り出した。

ボタンを押しても、うまく開かない。

留め具を外していなかった。

 

気づいて慌てると、隣で瀬川くんが口元を押さえた。
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