キスするくせに、彼氏じゃない。
「……嫌だった?」

 

顔を上げた。

 

瀬川くんはこちらを見ていた。

声は落ち着いていたけれど、表情はいつもより硬かった。

 

私は首を横に振った。

 

「違う」

 

思ったより強く言ってしまった。

 

彼の目が、少し開く。

私は鞄の角を見た。
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