キスするくせに、彼氏じゃない。
「白石さん」

「はい」

「連絡先、聞いてもいい?」

 

私は顔を上げた。

 

先輩は、自分のスマートフォンを見せた。

 

「ちゃんと帰れたか、気になるから。あと、本の感想も聞きたいし」

 

断る理由が、すぐには見つからなかった。

 

助けてもらったばかりだった。

飲み物も買ってもらった。

ここで断ったら、不自然だろうか。

 

私は鞄からスマートフォンを出した。
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