キスするくせに、彼氏じゃない。
窓に向けていた顔が、こちらへ動く。

目が合った。

 

「あ」

 

小さな声が、思わず出た。

 

彼は隣の椅子に置いていた鞄を下ろした。

 

「ここ?」

 

私は座席表を見せるように、プリントを少し持ち上げた。

「……たぶん」

「たぶんって」
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